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第1回 2017年6月27日開催 <アコースティックイメージング研究会資料>

AI-2017-01
3Dプリンタを用いた超音波用骨ファントム作製法の検討 【 PDF
中田 晶平, 大野 正弘
千葉工業大学
抄録

粗鬆症の超音波診断の基準モデルとなる骨ファントムの作製に取り組んでいる。人工多孔質体のX線CTデータを元にする方法および数値的にネットワーク構造を生成する方法により,海綿骨構造の3次元データを作り出し,それを3Dプリンタで造形した。海綿骨の小柱骨の太さ,小柱骨太さの空間的不均一性,孔形状の異方性などの骨構造パラメータと超音波散乱の関係を実験的に検討した。

骨粗鬆症,骨構造,海綿骨,ファントム,3Dプリント,超音波散乱
AI-2017-02
模擬血管チューブ内の圧力波伝搬に関する実験的検討 −狭窄形状の影響− 【 PDF
岩瀬 史明, 島田 慎也, 津留崎 凌, 松川 真美
同志社大学
抄録

臨床で計測可能な脈波の伝搬挙動解明を目的に,血管を模擬したチューブを用いて,チューブ内の圧力波伝搬を実験的に検討した.特にチューブ内に作成した狭窄からの圧力波の反射に着目した.狭窄の形状がチューブ内を伝搬する圧力波に与える影響についても実験及びシミュレーションを用いて解析した.今回は狭窄率75 %程度の狭窄を対象とし,狭窄の形状が圧力波伝搬に影響を与えることを示した.

圧力波伝搬,模擬血管チューブ,動脈狭窄症,流速分布,PIV
AI-2017-03
送受信特性の推定と距離分解能向上手法への適用 【 PDF
茂澄 倫也1, 長谷川 英之2
1富山大学工学部, 2富山大学大学院理工学研究部
抄録

距離分解能は,超音波イメージングにおける画質に関係する要素の1 つである.本研究グループでは,Bモード画像における距離方向分解能を向上させるため,超音波散乱強度の最尤推定に基づくフィルタを検討した.検討したフィルタにより得られるB モード画像は高い距離方向分解能を実現したものの,超音波エコー信号波形は伝搬物質の周波数依存減衰により変化するため,提案した最尤推定フィルタの性能は画像化対象の減衰特性に依存する可能性がある.本研究ではこのフィルタを改良することで,距離方向分解能および深達度を向上させることを目指す.そのため本報告では,離散エコー信号にたたみこまれている超音波送受信機の送受信特性を,画像化対象から得られた受信信号から推定した.さらに,伝搬に伴う超音波パルス波形の変化を考慮するため,画像化対象を深さ方向に一定の幅で複数の区間に分け,区間ごとに送受信特性を計算し,画像化する領域に応じて使用した.提案法により得られるB モード画像を,従来法により得られる画像と比較することで性能評価を行った.その実験の結果,受信信号からは従来法より小さな半値幅が得られ,距離分解能の向上が確認された.

超音波,距離方向分解能,最尤推定,散乱強度
AI-2017-04
超音波遺伝子導入の光学的実時間観察のための超音波照射条件の実験計画法を用いた検討 【 PDF
佐藤 智夫1, 山下 紘正2, 宮本 義孝3, 黒川 量雄4, 千葉 敏雄2
1港湾空港技術研究所, 2日本大学, 3名古屋大学, 4理化学研究所
抄録

超音波照射による遺伝子の細胞内への取り込み現象:ソノポレーションを,光学顕微鏡を用いて観察する.そのための超音波照射条件を実験計画法により検討した.培養したHepG2 細胞に,プラスミドDNA(pEGFPN3)とマイクロバブルを加え,超音波照射したのち,Green Fluorescent Protein(GFP)を発現した細胞を蛍光顕微鏡下で観察した.超音波照射時の超音波トランスジューサと培養プレート底面の距離,超音波照射強度,照射時間,そのデューティ比をL9 直交表に割り付けた.GFP の蛍光強度は,照射距離,照射強度に影響されることが示された.

胎児治療,遺伝子導入,ソノポレーション,超音波,マイクロバブル,実験計画法
AI-2017-05
強力集束超音波の焦点走査が音響化学反応に及ぼす影響 【 PDF
益子 大作, 西高 慎也, 岩崎 亮祐, マキシム ラフォン, 吉澤 晋, 梅村 晋一郎
東北大学
抄録

強力集束超音波(HIFU)治療では治療時間短縮のために治療効率の向上が必要とされている.HIFU治療にはキャビテーション気泡の高温・高圧場を利用した音響化学療法がある.キャビテーション気泡の反応場に加え,音響活性物質を用いることで,活性酸素種が生成され,その細胞毒性によってがんを死滅させることができ,HIFUの熱治療では治療困難な部位への使用が期待されている.熱治療においては焦点走査をすることで治療効率向上が図れるが,音響化学療法についてはあまり知られていない.本研究では治療用の多素子からなるアレイトランスデューサで焦点走査を行い,ルミノール反応によって活性酸素種の生成領域を定量的に評価し,キャビテーション気泡の持続的な振動が活性酸素種の生成に有効であることを示した.

強力集束超音波,音響化学療法,キャビテーション気泡
AI-2017-06
CCDカメラを用いた葉の固有振動解析による植物の水ストレス状態の推定 【 PDF
佐野 元昭, 内川 千春, 中川 裕, 大平 武征, 白川 貴志, 杉本 恒美
桐蔭横浜大学 大学院工学研究科
抄録

土耕栽培において最適潅水制御を行うには,植物の水ストレスを非侵襲的に推定する必要がある.その方法として,我々は葉の固有振動数の変化に着目しており,これまでに,葉の固有振動数は日周変化し,水が十分な場合,固有振動数は夜間に低下し日中に上昇するが,しおれが始まると,その固有振動数の低下は,夜間でなく日中に起こることを見出している.これらはレーザ変位計やハイスピードカメラを用いて計測されたが,実は通常のCCDカメラでも計測可能と考えられる.本稿ではそれが可能か検証した結果を報告する.

植物の水ストレス,葉の固有振動数,CCDカメラ
AI-2017-07
ワイヤ音響導波路と中空ロータを用いた血管内超音波検査用インナーロータ型コイル状ステータ超音波モータの開発 【 PDF
上原 長佑1, 栗田 恵亮1, 大関 誠也1,2, 竹内 真一1
1桐蔭横浜大学, 2つくば国際大学
抄録

我々は,血管内超音波検査(IVUS)への応用を目的として,駆動源をカテーテルの先端に設置可能な小型モータである,コイル状ステータ超音波モータ(CS-USM)の開発行ってきた.アウターロータタイプのCS-USMでは,オフラインでの画像化の報告がされているが,駆動源が体外に設置されるため,CS-USMの構造を再検討する必要があると考えられる.インナーロータタイプのCS-USMでは,音響導波路とPZT 振動子の位置関係が直角上にあるため,実用化には不適当である.本報告では,インナーロータタイプのCS-USMを用いて実用化に向けた構造を提案し,回転速度の測定を行った.その結果,IVUS必要回転数である1800 rpm 以上を記録した.

コイル状ステータ,CS-USM,超音波モータ,回転速度,インナーロータ
AI-2017-08
セルフセンシング型圧電マニピュレータに関する基礎的研究 【 PDF
鈴木 健太1, 徐 世傑2, 森田 剛1
1東京大学大学院新領域創成科学研究科, 2有限会社メカノトランスフォーマ
抄録

マニピュレーションにおいて、把持対象物に対するセンシングは重要であるが、別途センサを取り付けることはデバイスの小型化を妨げる要因となる。本研究では、圧電素子を用いた小型マニピュレータにおいて、把持に伴う圧電素子の機械的な境界条件の変化を等価回路で表現し、圧電素子をアクチュエータとしてだけでなく、同時にセンサとしても利用するセルフセンシングにより、把持状態の検出など様々なセンシングも行える小型マニピュレーションシステムの実現を目指す。今回はその基礎的な知見を得るために、変位拡大機構付き圧電アクチュエータを用いて、変位出力部分と対象物との接触状態をセルフセンシングにより検知した。

圧電素子,マニピュレータ,変位拡大機構,セルフセンシング
AI-2017-09
柔軟性超音波アレイ探触子の開発と対象の画像化 【 PDF
田中 雄介, 吉田 光良, 星野 秀和, 伊津 美隆, 小倉 幸夫
ジャパンプローブ株式会社
抄録

柔軟性超音波探触子を開発し、凹凸のある面や曲面からの超音波計測を行った。単眼のソフトプローブ、リニアアレイプローブ、マトリクスアレイプローブの超音波探触子をそれぞれ開発した。ソフトプローブでは溶接部の探傷や配管エルボ部の減肉計測、歯肉の厚さ計測について述べた。リニアアレイプローブは配管溶接部や乳腺ファントム、手首の血管の画像化を行った。マトリクスアレイプローブは配管エルボ部の減肉を画像化した。リニアアレイプローブでは試験体断面のB モード画像、マトリクスアレイプローブでは試験体の断面と平面画像をそれぞれ取得できる。配管エルボ部の観測では断面画像で減肉の深さ、平面画像で減肉の形状をそれぞれ確認できた。

超音波,探触子,柔軟性,フレキシブルアレイ,画像化

第2回 2017年8月3日開催 <アコースティックイメージング研究会資料>

AI-2017-10
柔軟性超音波探触子による曲面からの超音波計測 【 PDF
田中 雄介, 吉田 光良, 星野 秀和, 伊津美 隆, 小倉 幸夫
ジャパンプローブ株式会社 研究開発センター
抄録

柔軟性を持つ超音波探触子を開発し、曲面からの超音波計測を行った。単眼、リニアアレイ、マトリクスアレイの3種の柔軟性超音波探触子を開発し、曲面の試験体やパイプエルボで受信波形や画像化の評価を行った。単眼のプローブは溶接部の探傷や歯肉の厚さ計測を行った。また、リニアアレイプローブは溶接部や乳腺ファントム、手首の断面について画像化した。さらにマトリクスアレイプローブは3次元曲面の平面画像と断面画像を取得し、球面ブロックの人工きず形状、パイプエルボの減肉形状を画像化した。

超音波探触子,柔軟性,アレイ,曲面計測,画像化
AI-2017-11
空中超音波による側面が傾斜したファントムの非接触音波伝搬速度計測における精度検討 【 PDF
塙 大祐, 平田 慎之介, 蜂屋 弘之
東京工業大学 工学院システム制御系
抄録

骨粗鬆症の診断手法の1つであるQUSは,踵や手首に超音波振動子を接触させて生体内(海綿骨内)を伝搬する超音波の速度や減衰特性を計測することで骨量を推定する.本研究では,踵を透過した空中超音波を用いて踵内の音響特性を非接触で計測する手法について検討を行っている.これまで研究では,空気・生体間での反射によって著しく減衰し,踵表面で大きく屈折する透過波を検出する手法を提案し,踵内の音波伝搬速度を算出することに成功した.本報告では,提案手法の計測精度を評価するため,踵を模擬し,側面が傾斜したファントム内の音波伝搬速度を算出する実験を行った.実験は振動子とファントムが非接触および接触状態でそれぞれ30回行い,得られた音波伝搬速度の比較検討を行った.

空中超音波,非接触音響特性計測,M系列パルス圧縮,パルスエコー法
AI-2017-12
セクタプローブを用いた二次元血流ベクトル推定に関する基礎的検討 【 PDF
前田 萌, 長岡 亮, 池田 隼人, 八重樫 創生, 西條 芳文
東北大学 大学院医工学研究科
抄録

心疾患の早期発見のための指標として,逆流や狭窄が重要とされている.カラードプラ法は非侵襲的かつ低コストで血流の評価が可能である.しかし,超音波の送信方向の速度成分しか検出することができないため、細かい血流動態の可視化が難しい.本研究では単一プローブから異なる角度の拡散波を照射することにより,重複した領域において血流ベクトルの計算を行った.妥当性の評価方法として,PVAモデルを用いた.定常流の流量測定により推定速度の妥当性を評価した.また,ファントム内の渦流をPIV法と提案手法によりそれぞれ計測し,PIVを真値として比較し,提案手法の有用性を示した.

カラードプラ,二次元血流ベクトル
AI-2017-13
3パルス法によるキャビテーション気泡の非線形エコー検出に関する基礎検討 【 PDF
岩﨑 亮祐1, 長岡 亮1, 池田 隼人1, 高木 亮2, 吉澤 晋2, 西條 芳文1, 梅村 晋一郎1
1東北大学 大学院医工学研究科, 2東北大学 大学院工学研究科
抄録

高効率な強力集束超音波治療には音響キャビテーション気泡の利用が考えられ,安全性との両立や治療援用効果の確認のためには気泡の高感度・高コントラストな検出が求められる.気泡イメージングの手法としてパルスインバージョン法が良く用いられているが,気泡由来の非線形応答と非線形伝播に伴う高調波成分の重畳との切り分けは困難である.そこで本報告では気泡の非線形エコーを選択的に検出することに優れる,3つの初期位相パルスを用いた手法について,キャビテーション気泡の選択的検出に関する検討を行った.

強力集束超音波,キャビテーション気泡,超音波イメージング,3パルス法
AI-2017-14
RF信号の波動逆伝播を用いた気泡キャビテーション観測法 【 PDF
江田 廉, 折笠 拓夢, 中嶋 俊貴, 山越 芳樹
群馬大学 大学院理工学府
抄録

超音波と微小気泡を援用したドラッグデリバリシステム(DDS)において、強力超音波照射時のクラウド形成を伴い破壊に至る複雑な気泡キャビテーション過程を高空間分解能かつ高時間分解能で計測することは重要な技術である.我々はこれまでに汎用超音波映像装置のパワードプラ画像を使いS画像,T画像と呼ぶ画像を用いて気泡キャビテーションを観察する方法を提案した.本稿では気泡キャビテーション信号の受信RFデータから波動逆伝播(ホログラフィック像再生)を用いることでサブマイクロ秒の時間分解能とサブミリメートルの空間分解能を両立した気泡キャビテーション現象の新たな方法を提案する.

超音波援用DDS,気泡キャビテーション信号観測,波動逆伝播
AI-2017-15
血流およびキャビテーション信号検出に関する基礎的検討 【 PDF
池田 隼人1, 長岡 亮1, マキシム ラフォン1, 吉澤 晋2, 岩崎 亮祐2, 前田 萌1, 梅村 晋一郎2, 西條 芳文1
1東北大学 大学院医工学研究科, 2東北大学 大学院工学研究科
抄録

強力集束超音波(HIFU)治療は体外から体内の焦点領域に集束超音波を照射する非侵襲的な治療法である. HIFUを用いた血栓溶解治療ではキャビテーションの機械作用によって血栓溶解剤の効果を促進している. しかし, 予期せぬ部分に生成したキャビテーションによって正常細胞が死滅することもありうるため, 安全性の観点から血流とキャビテーション成分を分離しモニタリングする必要がある. 本研究では特異値分解フィルタを用いて血流とキャビテーションの信号を分離した.

超音波,特異値分解,血流,キャビテーション,強力集束超音波
AI-2017-16
光学的測定と音響ホログラフィー的解析によるHIFUパルス音場の定量測定 【 PDF
中村 拓也1, 吉澤 晋2, 梅村 晋一郎1
1東北大学 大学院医工学研究科, 2東北大学 大学院工学研究科
抄録

現在,医用超音波は診断・治療の両分野において幅広く利用されており,安全性の評価のためには超音波音場の正確な測定手法の確立が必要となる.標準的な測定手法であるハイドロフォン法は測定時間が長いことや,音場を乱す恐れがあるなどの欠点がある.本研究では,高速な音場測定手法である光位相コントラスト法を用いて,集束前の軸対象HIFUパルス音場を測定し,非線形伝搬シミュレーションを用いた音響ホログラフィー的解析と組み合わせることによって,治療レベルの強度を持つHIFUパルス音場の伝搬を再構成した.得られた圧力分布をハイドロフォン法と比較をすると良い一致が見られ,本手法の有用性を示した.

HIFU,光位相コントラスト法,音響ホログラフィー,定量測定,パルス超音波
AI-2017-17
ハンドヘルド装置を用いた複数波長による生体光音響イメージング 【 PDF
内本 陽, 浪田 健, 近藤 健悟, 山川 誠, 椎名 毅
京都大学 大学院医学研究科人間健康科学科系専攻
抄録

我々は,非侵襲的かつ簡便な血管構造の高画質,高機能イメージングを目指し,波長可変レーザーを用いたハンドヘルド型光音響イメージングシステムを開発した.まず血管を模擬した試料による実験で,その有用性を検証した.血液の吸収が強い波長の光を照射することで,深さ10 mmの位置において模擬血管の描出が可能であることを確認した.また,複数波長を用いて得られた光音響スペクトルと血液の光吸収スペクトルの相互相関係数マップを作成することにより,特異的に血管を検出できることを確認した.さらに,超音波プローブを走査してin vivo 計測を行い,開発した装置で血管の3次元的な画像が作れることを確かめた.これらの解析をとおし,開発した装置の有用性を実証した.

新生血管,3次元,多波長,ハンドヘルド型,光超音波イメージング
AI-2017-18
In vivoソノポレーションに向けた微小気泡-細胞間相互作用解明ための顕微観察手法の開発 【 PDF
磯野 朱音, 工藤 信樹
北海道大学 大学院情報科学研究科
抄録

我々はこれまで,生体組織に近い柔軟性を持つ足場付近にある微小気泡のふるまいを側方から高速度観察し,超音波照射によって気泡が足場から離れていくふるまいを生じることを報告してきた.そこで本報告では,柔軟な足場上にさらに細胞を培養し,気泡と細胞との相互作用を側方高速度観察することで,in vivo模擬条件での細胞膜損傷メカニズムに関する検討を行った.その結果,気泡が細胞に接着した条件であっ ても,97%の確率で微小気泡が足場から離れていくふるまいを生じることを確認した.気泡−細胞間の相互作用は大きく4つに分類できた.その中でも,気泡−細胞間の接着力が強く,足場から離れていく気泡の動き に従って細胞膜が引き伸ばされる場合,複数の気泡間の相互作用により生じた水流が細胞膜を引き伸ばす場 合においては損傷率が100%,75%と大きく,この2つの現象を積極的に誘導することで,柔軟な足場上の細胞に対しても効率良く損傷を与え得ることが示唆された.

ソノポレーション,微小気泡,細胞,高速度撮影,側方観察
AI-2017-19
医用超音波照射によるDNA分子の二重鎖切断について 【 PDF
石原 和也1, 山下 悠介1, 吉田 憲司2, 秋山 いわき1, 渡辺 好章1, 吉川 研一1
1同志社大学 超音波医学研究センター, 2千葉大学 フロンティア医工学センター
抄録

1.0MHzの超音波パルスによって引き起こされたDNA分子の二重鎖切断を,単一分子観察を用いて定量化した.また,マイクロバブルであるキャビテーション核が二本鎖切断の頻度に及ぼす影響を調べた.DNA分子溶液およびマイクロバブルを含む溶液に持続時間5μsから100μsの超音波を照射した時の,二重鎖切断が発生する負のピーク音圧を調べた.その音圧閾値は,パルス持続時間が増大すると低くなり,パルス繰り返し時間が増大すると高くなった.また,マイクロバブルが存在する場合,二本鎖切断の閾値音圧は小さくなることを見出した.

DNA分子,キャビテーション,二重鎖切断,超音波パルス,マイクロバブル
AI-2017-20
超音波の生物作用 −細胞応答から分子メカニズムへ− 【 PDF
近藤 隆1, 小川 良平1, 趙 慶利1, 田渕 圭章2, 野口 京1
1富山大学 大学院医学薬学研究部, 2富山大学 研究推進機構 遺伝子実験施設
抄録

超音波の生物作用は熱作用、キャビテーション作用、非キャビテーション作用に分類される。生物影響の主たる作用は機械的作用と思われるが、最近の研究で遺伝子水準での変化が明らかになってきた。特に低強度パルス超音波は遺伝子水準で骨形成に影響することが知られ、骨折治療に広く利用されている。今回は、超音波の生物作用について、細胞応答の研究から分子的メカニズムによる治療について概説する。

細胞応答,アポトーシス,低強度超音波,遺伝子応答
AI-2017-21
超音波照射されたメダカ胚のプロテオーム解析 【 PDF
松本 恵李那1, 吉田 憲司2, 秋山 いわき1, 廣瀬 まゆみ1, 池川 雅哉1, 渡辺 好章1
1同志社大学 超音波医科学研究センター, 2千葉大学 フロンティア医工学センター
抄録

胚への超音波照射はその後の発達に影響を与えるため、その生体作用を多角的に検討することは重要であると考えられる。本研究は受精後4日目のメダカ胚に周波数30 kHzの超音波照射を音圧の範囲20 kPa〜150 kPaで行い,メダカ全胚を用いてプロテオーム解析を行った.超音波照射量により変動するプロテオーム解析のために,Blue Native/SDS 二次元電気泳動を行いある酵素を同定した.本酵素の発現変化は,Western Blotting法により検証した.発生期における超音波照射は,本酵素の関連する代謝に影響を及ぼすことが示唆され,生体作用を考慮する上で重要な知見が得られた.

超音波,メダカ胚,生体作用,プロテオミクス,バイオマーカー
AI-2017-22
毛包を構成する細胞に対する低強度超音波刺激 【 PDF
佐々木 東1, 工藤 信樹2, 森下 啓太郎1, 大田 寛1, 滝口 満喜1
1北海道大学 獣医学研究院, 2北海道大学 情報科学研究科
抄録

頭皮・毛根は表在臓器であり、体外からの超音波照射に適している。本研究では超音波による発毛の可能性を探るために、3次元培養系で超音波が細胞に与える影響を観察した。 ヒト毛乳頭細胞およびヒト毛包外毛根鞘細胞を3次元培養系し、超音波照射後に蛍光顕微鏡でZ軸方向の画像を撮影した。超音波照射により、毛乳頭細胞および外毛根鞘細胞の活性化が観察された。また、これらの効果は照射から2日間継続していた。本研究より、発毛に対する超音波治療法の可能性が示された。今後、メカニズムや生体での反応などを検討する必要がある。

発毛,超音波

第3回 2017年10月30日開催 <アコースティックイメージング研究会資料>

AI-2017-23
無響室における768kHz/32bit超高解像音響測定のための音場環境評価 【 PDF
馬込 智瑛1, 荻野 秀哉2, 真鍋 友花2, 大久保 寛2
1首都大学東京 システムデザイン学部情報通信システムコース, 2首都大学東京 大学院システムデザイン研究科情報通信システム学域
抄録

近年の情報通信技術の進展に伴い,録音再生の技術は飛躍的に向上している.2010 年代初頭より,いわゆる「ハイレゾ」が市場に登場し,一般に普及しつつある現状である.すなわち,録音再生技術の向上により,これまで視えていなかった音響信号成分が明らかになり,人間の可聴不可能な周波数帯域であるがゆえに,これまであまり深く議論がされてこなかった20kHz 以上の音響信号についても利用が進むだろう.本研究では768kHz/32bit の超高解像音響測定システムについて評価実験を行い,観測される音場環境の評価結果を報告している.768kHz/32bit の高サンプリング・高ビット深度の計測によって,無響音室内で測定されるノイズフロアが低減することが明らかとなり,音響的に雑音の少ない環境下における超高解像測定の利用は有効であることがわかった.一方,低ノイズフロアを実現することで,電子機器を要因とする雑音成分を測定してしまうことも懸念される.本報告では,その一例としてインバータが原因と思われる信号について検討し,その結果を示している.

可聴域外の雑音,インバータ雑音,無響室,超高解像音響計測システム,サンプリング周波数,ビット深度,768kHz/32bit システム
AI-2017-24
偏光高速度干渉計を用いた音場イメージング計測法の原理と応用 【 PDF
石川 憲治1, 谷川 理佐子1, 矢田部 浩平1, 及川 靖広1, 大沼 隼志2, 丹羽 隼人2
1早稲田大学 表現工学科, 2(株)フォトロン  
抄録

光を用いた音場計測法は非接触かつ高い空間分解能で計測ができるため,音場の可視化に有効である.我々が近年提案している偏光高速度干渉計は,偏光高速度カメラと並列位相シフト干渉法を組み合わせ計測器であり,可聴音場および数十kHzの超音波音場を瞬時・定量かつ高いフレームレートで2次元計測することができる.本稿では,偏光高速度干渉計を用いた音場計測の原理,基礎実験による特性評価,およびいくつかの応用例について記す.

音場の可視化,音響光学効果,偏光高速度カメラ,位相シフト干渉法
AI-2017-25
集束超音波探触子の焦点位置と周波数評価 【 PDF / 動画: No.1 No.2
田中 雄介, 阿部 晃, 北田 純一, 小倉 幸夫
ジャパンプローブ株式会社 研究開発センター
抄録

集束超音波探触子の焦点位置が直接波とエッジ波で形成されることを述べた。音響レンズ、凹型振動子の集束超音波探触子の両方で評価を行い、焦点形成が同じ理屈で発生することを確かめた。開口角により直接波、エッジ波の影響度合いが変化し、開口角が小さいとエッジ波の影響が大きくなる。エッジ波は波長の影響を受けるので開口角が小さいと焦点位置に周波数の影響が発生する。周波数をFFT による周波数A、周期の逆数による周波数B に分けて考え、波長の評価は周波数B で行うことが適切と述べた。開口角が小さい場合シミュレーション、実験で焦点位置が異なったが、周波数B を合わせると焦点位置が合った。

超音波,エッジ波,開口角,波長,周波数
AI-2017-26
ステレオ動画像と気球型無人航空機システムを用いた音と映像の環境地図作成 【 PDF
齊藤 良二1, 池田 雄介2, 及川 靖広1
1早稲田大学 基幹理工学研究科表現工学専攻, 2東京電機大学大学院 未来科学研究科情報メディア学専攻
抄録

騒音問題を解決する手がかりとして,騒音を可視化することは重要である.しかし,都市部や高層ビル周辺における騒音計測を実施することは,高層になるにつれ観測点が多くなる,地上からの高さ,ビルからの距離を正確に計測する必要がありコストや手間がかかるなどの問題がある.我々は,空中の騒音を可視化する目的で小型無人飛行船を用いた騒音可視化システムを提案してきた.本研究では,既存の研究にSimultaneouslocalization and mappingの技術を導入し,都市部や高層ビル周辺における騒音の可視化を目的としたシステムを作成した.これにより,空間の形状把握と自己位置推定を利用した空間の三次元モデルに対して音情報をマッピングすることが可能となった.

バルーン,騒音計測,騒音マップ,SLAM,ステレオカメラ
AI-2017-27
VR技術を用いた騒音評価システム 【 PDF
谷川 将規1, 樫山 和男2
1清水建設株式会社 技術研究所, 2中央大学 理工学部都市環境学科
抄録

本論文は、VR技術とAmbisonicsによる立体音響技術により実現した騒音評価システムについて述べる。本システムは道路交通騒音や工事騒音などの屋外騒音問題を対象とし、騒音予測計算結果を直ちに可視化・可聴化できることを特徴とする。移動音源を含む種々の騒音源に対し、受音点位置における音波の到来方向や到達遅れ時間を考慮して効率的かつ高速な音響計算を行う。また再現性向上のため、自動車走行音などの可聴化用の音源信号は実測データをもとに生成している。本論文では、本騒音評価システムの概要、騒音予測精度ならびに立体音響手法の妥当性に関する検討結果を報告する。

騒音予測,騒音評価,VR技術,立体音響,Ambisonics
AI-2017-28
光学透過型ヘッドマウントディスプレイによる三次元音響インテンシティ可視化システム 【 PDF
井上 敦登1, 池田 雄介2, 矢田部 浩平1, 及川 靖広1
1早稲田大学 基幹理工学研究科表現工学専攻, 2東京電機大学大学院 未来科学研究科
抄録

音場の可視化ではカメラ映像に音情報を重畳する手法が多く用いられるが,平面ディスプレイでは三次元音場情報の奥行き表現が困難である.そこで,ビデオ透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とマーカ画像認識により,立体的な音場情報を多視点から観測するシステムを提案した.しかし,ビデオカメラ設定の影響による不自然な視覚情報や,オクルージョンや視点位置の検出の不正確さによって正確な可視化が行える状況が限られることが課題であった.そこで,光学透過型HMDと空間認識センサによるシステムを新たに提案した.ビデオ透過型システムよりも自然な視覚情報と,広範囲の視点移動とオクルージョンを考慮した可視化を実現した.本稿では,両システムの詳細を紹介し,三次元音響インテンシティ分布の可視化例から光学透過型システムの有効性を示す.

手持ち4点マイクロホン,空間認識センサ,拡張現実感(AR),複合現実感(MR)

第4回 2017年12月14日開催 <アコースティックイメージング研究会資料>

AI-2017-28
時間反転音波集束における初期信号取得法の検討 【 PDF
岩井 開, 高橋 知朗, 野村 英之
電気通信大学 情報理工学研究科
抄録

時間反転音波集束を用いた超音波イメージング実現のため,初期信号取得法の検討が行われた.未知対象物上に音波集束を行うため,対象物を置かないときの焦点形成位置において観測される音圧信号を時間反転の初期信号とする方法を提案した.提案法の時間反転集束特性が,対象物上の焦点形成位置における振動速度を初期信号とする従来法の空間集束特性と比較された.垂直方向集束において,両者の特性はおよそ同等の性能であるものの,水平方向集束において提案法では複数のピークが形成されため,従来法より集束性が低下する結果が示された.

時間反転音波,集束音波,非接触,超音波イメージング
AI-2017-29
感度補正型送信信号を用いた移動物体の速度計測-自己相関処理の効果について- 【 PDF
竹中 一孝1, 中瀬 桃香1, 千村 大2, 陶 良2
1千葉工業大学 大学院工学研究科電気電子情報工学専攻, 2千葉工業大学 工学部
抄録

超音波での空中物体速度計測法には,主にドップラー法が用いられるが,測定対象の速度が遅い場合ドップラーシフトが小さくなり周波数分解能の制限により誤差は大きくなるため不適切であると指摘されている.本研究では,感度補正型ダブルパルス法での速度計測を実験的に行い,ドップラー法との比較検討を行った.ここで,ダブルパルス法においては,標準受信信号との相互相関を用いたパルス圧縮手法に加え,ドップラーシフトの影響の削減を目的とし,受信信号の自己相関法を新たに考案し,速度計測の結果を比較検討した.

自己相関,速度計測,感度補正型送信信号,パルス圧縮,ドップラーシフト
AI-2017-30
超音波による接着系アンカーボルトの検査 【 PDF / 動画: No.1
田中 雄介, 星野 秀和, 小倉 幸夫
ジャパンプローブ株式会社 研究開発センター
抄録

看板やトンネルなどで使用されているアンカーボルトの超音波検査について報告する。接着剤を使用したケミカルアンカーについて超音波検査を行い、アンカーボルト先端からの反射信号Aと遅れて発生する信号Bとの比B/Aからアンカーボルトの健全性評価を行った。アンカーボルト施工の際にコンクリートに開ける穴の大きさを標準施工より大きくするとB/Aの値が小さくなった。また、穴の掃除を行わない場合も施工不良となるが、その場合もきれいに掃除を行った場合に比べてB/Aの値が小さくなった。接着系アンカーボルトの健全性はB/Aの値で評価できる可能性を示した。

超音波,アンカーボルト,非破壊検査,コンクリート,反射法
AI-2017-31
超音波エコー信号雑音比を利用したびまん性肝疾患の定量化と視認性向上のための一考察 【 PDF
大栗 拓真1, 野口 幸代1, 金山 侑子1, 黒田 英克2, 神山 直久1
1GEヘルスケア・ジャパン 超音波製品開発部, 2岩手医科大学 内科学講座消化器内科肝臓分野
抄録

汎用超音波診断装置を用いたびまん性肝疾患の定量化機能および視認性の向上を目的とし、エコー信号の信号雑音比(SNR)の生体組織の観察に適した算出法およびイメージング法について検討を行なった。算出方法としては、5つの重複したkernelを用いた5-kernel法を提案し,単純に1個のkernelのサイズを変化させた場合とのSNRおよびその2次元マッピング画像を作成し比較した.生体疑似ファントムおよび肝臓の臨床データを用いた比較においては、提案手法は定量性を保持したままその視認性が向上することが確認された。

超音波定量診断,信号雑音比,びまん性肝疾患
AI-2017-32
超音波顕微鏡による生体組織のミクロな三次元構造解析の基礎検討 【 PDF
本田 瑶季1, 吉田 憲司2, 伊藤 一陽3, 大村 眞朗1, 山口 匡2
1千葉大学大学院 融合理工学府, 2千葉大学 フロンティア医工学センター, 3千葉大学大学院 工学研究科
抄録

生体組織の音響特性の2次元イメージングを特徴とする超音波顕微鏡は病理学的観察や組織物性値の収集および蓄積の目的で医療・生物分野で広く用いられている.しかし,音響インピーダンス解析においては,生体組織構造に由来する音響散乱が音響インピーダンスの解析精度に影響を及ぼすという報告がなされている.本研究では,中心周波数60 MHzおよび250 MHzの超音波振動子を用いてそれぞれ皮膚組織と培養細胞を対象に内部構造の三次元解析と音響インピーダンス解析を同時に行った.計測対象面からの反射波と内部構造からの散乱波の干渉に焦点をあて,内部構造と音響インピーダンス解析精度の関連性について議論する.

超音波顕微鏡,音響インピーダンス解析,皮膚,細胞,3次元構造解析
AI-2017-33
種々の加振方法における生体疑似ファントム内を伝搬するせん断波の計測 【 PDF
中村 健太郎1, 平田 慎之介1, 飯島 尋子2, 蜂屋 弘之1
1東京工業大学 工学院システム制御系, 2兵庫医科大学 超音波センター
抄録

びまん性肝疾患では,せん断波速度に関連する病変部の剛性率が正常部よりも大きく,この剛性率の違いを計測し,病変を評価する手法の検討が進められている. しかし,臨床現場での検討では,条件により計測結果が異なる場合があることが報告がされている.本報告では肝臓を模擬したファントムを物理的に加振し発生させたせん断波を診察用のパルスにより計測し,せん断波変位量やせん断波伝搬速度の計測精度について検討した.また,定量診断における基礎検討のため,種々の加振方法を用いてファントムを加振し,加振周波数による差異や深度依存性について検討した.今回の実験において,加振周波数によって伝搬速度の値や深度依存性の変化が確認された.以上,ファントムを用いた検討により,加振周波数がせん断波伝搬計測に与える影響についての基礎データを得た.

超音波,エラストグラフィ,せん断波伝搬速度,びまん性肝疾患,肝炎

第5回 2018年2月19日開催 <アコースティックイメージング研究会資料>

AI-2017-34
空中超音波共振法による非接触厚さ計測 −共振信号発生位置の推定− 【 PDF
田中 雄介, 大橋 保宏, 小倉 幸夫
ジャパンプローブ株式会社
抄録

空中超音波により試験体の厚さを非接触で計測した。共振法を用いて計測を行い、鋼板やアクリル板などの平面試験体のほか、曲面や凹凸面における厚さ計測を行った。平面試験体、曲面試験体で共振法による厚さ計測を行い、それぞれの厚さを計測した。また、厚さ5.5[mm]のアクリル板に円形などの形状で深さ0.5[mm]の溝を設定した試験体を計測したとき健全部と減肉部の両方の厚さを計測した。共振法の波形を時間ごとに調べ、試験体の厚さ計測を行うための評価を行う波形の箇所を考察した。送信信号の直後から共振信号が発生しているが、時間が経過した部分の信号ではノイズが大きくなり共振と思われる信号が検出できなかった。

空中超音波,共振法,非接触,厚さ計測,減肉
AI-2017-35
空中放射音波を用いた非接触響探査法に関する研究 -健全部の統計的評価による欠陥検出と映像化- 【 PDF
杉本 和子1, 杉本 恒美1, 歌川 紀之2, 黒田 千歳2
1桐蔭横浜大学 大学院工研究科, 2佐藤工業㈱ 技術研究所
抄録

遠距離からコンクリートの内部欠陥を検出可能な非接触音響探査法の検討を行っている。本手法は欠陥部のたわみ共振を利用した手法であり,既に鉄道トンネルや30m以上の離隔での高架橋および凹凸のある吹付けコンクリート等において,たたき点検と同等な検出能力があることを明らかにしている。本手法では2つの音響特徴量である振動エネルギー比とスペクトルエントロピーを用いた欠陥検出アルゴリズムにより,欠陥部と健全部の判別が可能であるが,実際のコンクリート構造物では,健全とされる部分の定義が明確でないため,閾値も場所により異なるという問題点が存在していた。そのため,今回は測定データから得られる音響学的特徴量(振動エネルギー比とスペクトルエントロピー)の分布に統計的処理を行って,健全部を評価抽出することにより,より明確な欠陥部の検出を可能にする手法を考案した。今回,欠陥による振動エネルギーが健全部の振動エネルギーに比べて埋もれてしまうほど差がない場合の例として,円形剥離欠陥を用いて検証し,健全部と欠陥部を分離識別する良好な結果が得られたので報告する。2つの音響学的特徴量を用いた,コンクリート健全部の統計評価による健全部抽出アルゴリズムにより,健全部と欠陥部をうまく分離識別することが可能である。

非接触音響探査法,欠陥検出アルゴリズム,振動エネルギー比,スペクトルエントロピー
AI-2017-36
非接触音響探査法を用いた軟性容器の内部気体量の検出に関する研究 【 PDF
川井 重弥, 中川 裕, 杉本 恒美
桐蔭横浜大学 大学院工学研究科
抄録

飲料容器内の液体が腐敗しガスが発生した場合には、不良品として回収する必要がある。磁性を持つ缶容器の場合は電磁パルスによる振動音をマイクロフォンで捉えることにより良否判定することが可能である。しかしながら、広く用いられているプラスチックや紙製の軟性容器は磁性を有してない。また、アルミ蒸着を施したプラスチックによる軟性容器であっても磁性は極めて小さい。そのため、電磁パルスによる検査方法は、磁性を有さない軟性容器に対しては有効ではないという問題があった。一方、音波を用いれば、このような磁性を有していない軟性容器であっても振動を発生させること自体は可能である。そのため、今回は音波照射加振とレーザドップラ振動計を用いた非接触音響探査法を用いて、軟性容器内に発生した内部気体量が検出できるかどうかの検討を行った。紙製容器を用いた評価実験の結果から、内部気体量に比例した振動エネルギーの増加が検出され、本手法による軟性容器検査への適用可能性が確認された。

軟性容器,内部気体量検出,非接触,非破壊,漏洩
AI-2017-37
体腔内テレメトリーへの超音波伝送の応用について 【 PDF
松本 成史1, 竹内 康人2
1旭川医科大学病院 臨床研究支援センター, 2旭川医科大学 脳機能医工学研究センター
抄録

体腔内で得た生体情報を体外にて受信せんとする場合、またさらにテレメトリ? 一般においても、計測現場との間の非接触的な伝送また給電や励起が本質的課題となる。現場の装置の究極的な簡素化、小型化、無給電化、長寿命化には、装置をパッシブテレメトリ? 系とし、現場には能動素子を含む電子回路システムを置かないという方式が、大きな制約を持ちつつも本質的な解決策であり得る事は公知の如くである。著者らは体腔内における静圧および音響信号のテレメトリ? のため封じ切りカプセル内に1次電池、2次電池、体液を用いた現場発電、電磁結合や光照射による動作電力の給電などを採用する事を検討し、また試みて来た。また完全にパッシブな電磁結合による計測原理も試みた。が、いずれも一長一短があり臨床応用に向けたシステム設計の着手には至っていない。本研究においては現場の装置をパッシブとして励起(電力の給電ではない)を超音波で行い、応答の受信を電磁結合で行うという方式を試み、他の方式にはない特徴あるシステム設計の可能性および知見を得たので報告する。すなわち、励起と応答の受信との間には超音波の伝播時間だけの遅延があるので送受分離の問題は時間軸上に転嫁され、送受とも電磁結合系による場合における送受同時分離の問題は発生しない。

体腔内,パッシブ,テレメトリ?,送受分離,無給電
AI-2017-38
皮膚組織のマルチスケール臨床データ解析とエコーシミュレョンによる検証 【 PDF
大村 眞朗2, 吉田 憲司3, 本田 瑶季1, 秋田 新介4, 真鍋 一郎5, 山口 匡3
1千葉大学 大学院融合理工府, 2千葉大学 大学院融合理工府(先進科学プログラム), 3千葉大学 フロンティア医工センター, 4千葉大学 医学部形成外科, 5千葉大学 大学院医研究長寿講座
抄録

リンパ浮腫などを罹患した皮膚組織において,初期の線維化や炎症程度を超音波定量診断法により指標化することを目指している.本報告では,摘出正常ヒト皮膚(n=3)と重度リンパ浮腫(n=1)からのRFエコー信号を自作スキャナと15,25 MHz(中心周波数)の単一凹面振動子を用いて計測し,エコー振幅包絡像の特徴を整理した.さらに,組織構造の差を指標化するために,後方散乱係数および統計分布を用いた信号解析法を適用した.組織構造の評価パラメータとして,Homodyned-K分布のパラメータμおよび1/(κ+1),後方散乱係数の積分値(IB)に着目した.特に25 MHz振動子での解析結果では,エコー強度に関連する評価パラメータの算出結果に差がみられた[中央値 (四分位範囲):μ=0.71 (0.43-1.16),IB=4.32 (2.20-10.3)×10-3 sr-1 mm-1 (正常皮膚)および μ=2.03(1.32-2.89),IB=13.0 (6.49-23.4)×10-3 sr-1 mm-1(リンパ浮腫)].正常皮膚に比して,リンパ浮腫組織が高散乱体密度かつ後方散乱波のエネルギーが大きいと想定される.病理像を用いて作成した膠原線維の数密度が異なる媒質モデルに対し,エコーシミュレーションを検討した結果においても,低散乱体密度なモデルに比して高散乱体密度なモデルの評価パラメータが高いことから,実信号解析の結果を裏付けることができた.

組織性状診断,マルチスケール,エコー信号解析法,シミュレーション,皮膚組織
AI-2017-39
多重反射環境が単一音源時間反転技術の集束性に与える影響 【 PDF
高橋 知朗, 岩井 開, 野村 英之
電気通信大学
抄録

時間反転技術を用いると,開口を有するキャビティ内に設置された1 個の単一素子を用いて音波をキャビティ外部に集束させることができる.本研究において,空気中における単一素子の時間反転音波集束特性がシミューレーション及び実験によって評価された.特に,時間反転音波集束の走査範囲拡大のため,キャビティ内の多重反射が音波集束の空間走査範囲に与える影響を検討した.音源の設置方法,キャビティサイズ,音波放射孔サイズを変化させたシミュレーションや実験から,より適切なキャビティ形状を設計した.設計されたキャビティを用いた時間反転音源は音波集束の走査範囲を約2 倍まで拡大した.この結果から,単一素子を用いた時間反転集束音波による非接触イメージングの実用化の可能性が期待される.

時間反転,非接触,集束,超音波イメージング,走査
AI-2017-40
強力超音波応用圧電材料の特性評価方法 【 PDF
三宅 奏1, 笠島 崇2, 山崎 正人2, 沖村 康之2, 永田 肇3, 森田 剛1
1東京大学 大学院新領域創成科学研究科, 2日本特殊陶業株式会社, 3東京理科大学
抄録

圧電材料のハイパワー駆動時には、大振幅の歪みに依存した非線形弾性・非線形弾性損失によって振動速度の飽和や共振周波数変化が生じる。このようなハイパワー特性は線形範囲の評価指標であるd やQ 値では評価できない。本研究ではハイパワー特性の評価のため、複素高次弾性定数を測定した。非線形LCR 等価回路を用いて圧電体の高電圧駆動時のアドミッタンス曲線をカーブフィッティングすることにより、複素高次弾性定数を測定した。測定はPb(Zr,Ti)O3、(K,Na)NbO3、Ba(Zr,Ti)O3-(Ba,Ca)TiO3、Na2O-Bi2O3-TiO2-CrO3/2 のセラミックスとLiNbO3単結晶を対象とした。測定の結果から複素高次弾性定数と線形パラメータには相関があることを見出し、これは材料開発の指針になると共に、圧電材料の高次弾性の物理的要因の解明につながると期待される。また、複素高次弾性定数を用いてハイパワー駆動時の最大振動速度等の特性を評価する性能指数の提案を行った。

強力超音波,圧電材料,ハイパワー特性,非線形現象,高次弾性
AI-2017-41
音波振動を用いた航空宇宙部品の検査に関する研究 【 PDF
中川 裕1, 杉本 恒美1, 杉本 和子 1, 小菅 信章1, 今井 済 2, 木村 憲志2, 佐藤 明良2
1桐蔭横浜大学 大学院工学研究科, 2株式会社IHIエアロスペース
抄録

非接触音響探査法

レーザドップラ振動計,アルミハニカムサンドイッチパネル,剥離検査
AI-2017-42
超音波バッファーロッド法による溶融樹脂の定量評価に関する検討 【 PDF
倉内 健行, 阿部 将典, 井原 郁夫
樹脂材料は工学,工業の幅広い分野で活用されているが,その高温状態,特に溶融状態での特性は必ずしも正確に把握されていない.本研究では,低密度ポリエチレン(LDPE)の液相から固相に至る過程の超音波モニタリングを目的として,新規なバッファーロッドプローブを用いた超音波パルスエコー法の適用について検討した.まず,樹脂材料の測定に適したバッファーロッドを用いて溶融LDPEの冷却過程における音速と減衰率の温度依存性を定量的に測定した.次いで,溶融LDPEの一方向凝固過程における凝固界面の検出を試み,その結果に基づいて凝固プロセスのモニタリングについて検討した.
抄録

溶融樹脂

超音波パルスエコー測定,バッファーロッド法,凝固モニタリング