Journal of Science EGGS
2022 - Vol. 5

2022 - Vol. 5

硫化亜鉛ナノ粒子の発光特性 J. Sci. EGGS, 5, 2210001(2022)
Luminescence characteristics of zinc sulfide
渡辺 悠里 , 佐野 心咲 , 木村 公祐 , 樋口 陵岳 , 柿沼 孝司
Yuuri WATANABE , Misaki SANO , Kousuke KIMURA , Ryouga HIGUCHI , Kouji KAKINUMA
Received: March 30, 2022
Accepted: April 12, 2022
Released: June 10, 2022
Keywords: 硫化亜鉛, 多色発光, 逆ミセル法, ナノ粒子, 銅イオン
Zinc Sulfide, Multicolor Emission, Reverse Micelle Method, Nanocrystal, Copper Ion
Abstract Full Text PDF[1M]

赤や青など様々な発光色を表現するLEDにはレアメタルが使われている。しかし、レアメタルの埋蔵量には限りがある点や日本で使用している多くは海外の輸入に頼っているなどの問題がある。そこで、私達はレアメタルを用いずに硫化亜鉛ナノ粒子から多色発光を示したいと考えた。逆ミセル法にて生成したZnSナノ粒子は動的光散乱法にて5~7nm径を確認し、安定度定数の差が103未満の酒石酸KNaによりZnSナノ粒子中にCu2+を取り込めた。[Zn2+]>[S2-]のとき、S2-空位の準位からZnS価電子帯への発光を確認した。[Cu2+]/[Zn2+]=6.7×10⁻³にてS2-空位の準位からCu2+の準位への発光が最大となり、Cu2+がZnSナノ粒子中に存在すると励起された電子はS2-空位の準位からZnS価電子帯への発光よりCu2+の準位への発光を優先すると分かった。Cu2+量をさらに増やすと結晶が歪み、発光量が減少した。本研究により、S²⁻空位の準位からZnS価電子帯への発光強度、S²⁻空位の準位からCu²⁺の準位への発光強度を変化させるとともに、先行研究での発光の短波長化により多色発光を実現した。